シンスプリントとは？
シンスプリント（脛骨過労性骨膜炎）は、ランニング中やダッシュの時にスネの内側に痛みが出る、スポーツ選手を悩ませる難治性のスポーツ障害です。硬い路面でのランニングや急激に走る量が増えたことにより痛みが発生することがほとんどで、最初は運動後の痛みから始まり、重症化すると安静時にも痛みを感じるようになります。
「このまま運動をしていたら疲労骨折する」と言われた経験がある方も多いのではないでしょうか。当院には、湿布やテーピング、電気やマッサージをしても変化がないと悩まれている方が多く来院されています。
なぜ痛みが改善しないのか？
実は、ほとんどの人が痛みの出ているスネの部分しかアプローチしていません。痛みの出ている場所に原因があるのであれば、電気やマッサージをすれば良くなるはずです。しかし改善している方はごくわずかなのが現実です。
重要なポイントは、シンスプリントの原因は、痛みの出ているスネの部分にはないということです。
シンスプリントの本当の原因
1. 足関節（足首）の硬さ
シンスプリントの方を診ていると、まず共通しているのが足首の硬さです。スネは膝関節と足関節に挟まれています。膝関節は安定性を担う静的な関節で、足関節は動きを担う動的な関節です。
繰り返しのランニングやジャンプで足関節が硬いままになっていると、負担を受け流すことができなくなってしまい、スネの内側にストレスが加わります。動的な関節である足関節は、しっかりと動きが確保されていなければなりません。
2. 背骨の柔軟性の低下
ランニングやジャンプでは、衝撃を様々な関節で受け流し負担を軽減させています。この負担を受け流す行為は、人体の自然なメカニズムです。
その中でも重要なのが、背骨の柔軟性です。足関節の硬さと共に、背骨の関節の動きが悪くなると、足で体重の負担を受けることになります。背骨が柔らかく動くことにより足に負担がかからなくなり、激しい運動にも耐えられるようになります。
3. 重心バランスの崩れ
スネの内側に負担がかかるということは、体の内側に重心がかかりやすくなっているということです。左右どちらかの足の症状であれば左右のバランスを整えることが大切ですが、両足に症状が出ている人もいます。そのため、左右だけでなく前後のバランスを整えることも重要になります。
今日から始められるセルフケア
1. 足首の柔軟性を高めるストレッチ
足首回し 座った状態で片足を反対側の膝に乗せ、手で足首をゆっくり大きく回します。内回し・外回しを各20回ずつ行いましょう。
ふくらはぎのストレッチ 壁に手をついて片足を後ろに引き、かかとを地面につけたまま前足の膝を曲げます。ふくらはぎの伸びを感じながら30秒キープ。これを左右3セットずつ行います。
2. 背骨の柔軟性を取り戻すエクササイズ
キャット＆ドッグ 四つん這いの姿勢から、息を吐きながら背中を丸め、息を吸いながら背中を反らします。この動きをゆっくり10回繰り返すことで、背骨全体の柔軟性が高まります。
体幹ツイスト 座った状態で両手を胸の前で組み、上半身を左右にゆっくりひねります。各方向10回ずつ行いましょう。
3. 運動量の調整
軽いジョギングでも痛みが出る場合は、無理せず運動を控えることが大切です。「それでも試合に出たい」「大会に間に合わせたい」という気持ちはよく分かりますが、悪化させると疲労骨折に移行する可能性もあります。
セルフケアの限界と専門的な施術の重要性
これらのセルフケアを実践しても痛みが改善しない場合、本当の原因を特定できていない可能性があります。当院では、初回のカウンセリング・検査でお身体の状態を徹底的に解析し、足関節の問題、背骨の柔軟性、重心バランスなどを詳しくチェックします。
痛みの出ている場所だけでなく、根本的な原因に対してアプローチすることで、歩くことも辛かった人がその場で変化を実感されることも少なくありません。当院の施術を受けた方の中には、3回の施術でスネの痛みが改善し、部活を一度も休むことなく競技復帰できた例もあります。
「安静しかない」「固定して様子を見るしかない」と言われて諦めていた方も、正しい原因を特定して適切な施術を受けることで、みるみる変化が現れてきます。
まとめ
シンスプリントは、痛みのある部分だけでなく、足首の柔軟性、背骨の動き、重心バランスなど、全身のバランスを整えることが改善への近道です。
今日ご紹介したセルフケアを毎日継続的に行うことで、症状の軽減や予防に繋がります。ただし、セルフケアで改善が見られない場合や、痛みが強くなる場合は、無理をせず専門家に相談することをお勧めします。
当院は、スポーツのケガで苦しんでいる方を救いたいという思い一つで施術を行っています。「早く大好きな運動を楽しみたい」「早く部活や競技に復帰したい」という願いを叶えるため、全力でサポートさせていただきます。
一人で悩まず、ぜひ当院にご相談ください。きっと「来てよかった」「もっと早く来ていれば」と感じていただけると思います。
