テニス肘が治らない本当の理由
肘が痛くてラケットが持てない、雑巾を絞ると激痛が走る、そんなテニス肘の症状に悩まされていませんか?
多くの方が肘に電気治療やマッサージを受けているのに、なかなか改善しないという経験をお持ちです。実は、その原因は肘だけにあるのではありません。今回は、テニス肘と首の関係性について詳しく解説していきます。
テニス肘とは?
テニス肘は正式には「外側上顆炎」と呼ばれ、肘の外側に痛みが生じる疾患です。テニスをしていない方でも、日常生活での繰り返し動作によって発症することがあります。
主な症状として
- 物を持ち上げる時の痛み
- タオルや雑巾を絞る動作での痛み
- ドアノブを回す時の痛み
- 安静時でも続く鈍痛
このような症状が1ヶ月以上続いている場合、肘だけの問題ではない可能性が高いのです。
なぜ首が関係しているのか?
一見無関係に思える首とテニス肘ですが、実は深い関連性があります。
1. 神経支配の問題
首から出る神経(頸神経)は、肩から腕、そして肘へと繋がっています。首の骨(頸椎)のズレや筋肉の緊張により神経が圧迫されると、腕や肘に痛みやしびれが現れることがあります。
特に頸椎5番から8番は、腕や手の運動・感覚を支配しているため、この部分に問題があると肘の痛みとして現れることがあるのです。
2. 姿勢の連鎖反応
デスクワークやスマートフォンの使用で首が前に出た姿勢(ストレートネック)になると、肩が内側に巻き込まれ、結果として腕全体の使い方が変わってしまいます。
この姿勢の変化により:
- 肩関節の可動域が制限される
- 腕の筋肉が常に緊張状態になる
- 肘への負担が増大する
つまり、首の位置が悪いことで、腕全体の運動連鎖が崩れ、肘に過度な負担がかかってしまうのです。
3. 筋膜のつながり
体は筋膜という薄い膜で全身がつながっています。首から肩、腕、そして指先まで、一枚の筋膜でつながっているため、首の緊張や硬さが肘の痛みとして表れることがあります。
特に首の側面から肩、上腕へと続く筋膜ラインが硬くなると、肘の外側に負担がかかりやすくなります。
4. ストレートネックとテニス肘の悪循環
現代人に多いストレートネック(首の正常なカーブが失われた状態)は、テニス肘を悪化させる大きな要因です。
正常な首は緩やかなカーブを描いていますが、このカーブが失われると
- 頭の重さ(約5kg)を首の筋肉だけで支えることになる
- 首から肩にかけての筋肉が常に緊張状態になる
- 肩甲骨の動きが制限され、腕全体の動きが硬くなる
- 結果として肘の筋肉や腱に過度な負担がかかる
さらに、テニス肘の痛みをかばって体を使うことで、姿勢がさらに悪化し、首への負担も増すという悪循環に陥ります。
5. 頸椎からの神経圧迫のサイン
首の問題がテニス肘に影響している場合、以下のような特徴的なサインが現れることがあります
神経根症状の特徴
- 肘だけでなく、肩から手首まで広範囲に痛みやだるさがある
- 夜間に腕全体がジーンとする感覚がある
- 首を特定の方向に動かすと肘に響く
- 手指にしびれや感覚の鈍さを感じる
- 朝起きた時に腕が重だるい
これらの症状がある場合、肘の炎症だけでなく、頸椎からの神経の問題が隠れている可能性が高くなります。
6. デスクワークとテニス肘の関係
意外に思われるかもしれませんが、テニスをしていないのにテニス肘になる方の多くがデスクワーカーです。これは首の問題が大きく関係しています。
デスクワークでの首への負担
- パソコン作業で首が前に出る姿勢が続く
- スマートフォンを見る時の下向き姿勢
- マウス操作時の肩の内旋(内側に巻き込む動き)
- キーボード操作時の腕の固定姿勢
このような姿勢が長時間続くと、首から肩、腕への神経伝達が悪くなり、腕全体の筋肉が疲労しやすくなります。その結果、日常の何気ない動作(ドアを開ける、物を持ち上げるなど)で肘に痛みが出るようになるのです。
7. 首の問題を放置すると起こること
首の問題を解決せずに肘だけを治療していると、以下のような状況に陥りやすくなります:
- 一時的に痛みが軽減しても、すぐに再発する
- 反対側の肘や手首にも痛みが出始める
- 肩こりや頭痛も併発する
- 握力が低下してくる
- 腕全体の疲労感が抜けない
これは、根本原因である首の問題が解決されていないため、体が別の形でサインを出している状態です。
見落とされがちな首の問題
テニス肘で来院される方の多くに、実は首にも問題が見られます。しかし、肘が痛いため首の問題に気づかないケースがほとんどです。
以下のような症状がある方は、首が原因でテニス肘が長引いている可能性があります
- 首や肩のこりを感じる
- 頭痛がある
- 腕全体に疲労感がある
- 手のしびれを伴うことがある
- 首を動かすと腕に響く感じがある
当院のアプローチ
当院では、テニス肘の施術において肘だけでなく、首を含めた全身のバランスを重視しています。
徹底した原因の特定
初回のカウンセリングと検査で、痛みの本当の原因を特定します。
頸椎の可動域、神経症状の有無、姿勢分析、重心バランスなど、多角的に評価を行います。
根本からの改善
肘だけでなく、首の調整、胸椎や肩甲骨の動きの改善、運動連鎖の回復、筋膜リリース、重心バランスの調整など、根本原因にアプローチします。体に負担をかけずに改善へ導きます。
多くの方が3〜5回の施術で痛みの軽減を実感されています。1ヶ月以上続く痛みでも、適切なアプローチにより早期改善が可能です。
まとめ
テニス肘が長引く原因の一つとして、首の問題が隠れていることがあります。肘だけの治療で改善しない場合は、首を含めた全身のバランスを見直す必要があります。
当院では、豊富な経験を持つ国家資格取得者が、丁寧なカウンセリングと検査によって痛みの本当の原因を特定します。肘だけでなく、首や背骨、全身のバランスを整えることで、根本的な改善を目指します。
1ヶ月以上テニス肘の痛みが続いている方、マッサージや電気治療で効果を感じられない方は、ぜひ一度当院にご相談ください。あなたの痛みの原因を的確に見つけ出し、早期復帰と再発予防までサポートいたします。







