はじめに
「朝の一歩が痛くて歩けない」「ランニング後は歩くのも辛い」など、足底筋膜炎でお悩みの方は少なくありません。当院では、足底筋膜炎の改善において体の連動性やバランスの調整を重視していますが、実は血液循環と水分補給も症状改善に大きく関わっています。今回は、足底筋膜炎と血液・水分補給の関係について詳しくお話しします。
足底筋膜炎の本当の原因
足底筋膜炎は、足の裏にある足底筋膜という線維組織に炎症が生じる疾患です。一般的には痛む踵だけの問題だと思われがちですが、実際には踵の痛みは結果であり、その他の箇所に問題が生じていることがほとんどです。
なぜ痛みが長引くのか
当院には1ヶ月以上、中には1年以上痛みを抱えている方もいらっしゃいます。長期間痛みが続いているのであれば、体の連動性や歩行のバランスが崩れていると考えることができます。
歩く時は、股関節、膝関節、足関節と連動して動き、さらに上半身の動きも歩行には関わってきます。全ての関節が正常に動くことにより負担を減らしているのですが、この連動性が崩れると特定の部位に負荷がかかり、足底筋膜炎を引き起こします。
血流不足が足底筋膜炎を悪化させるメカニズム
血液循環の重要性
当院の施術では、股関節、膝関節、足関節の動きを正常にすると同時に、血流量の調整を重視しています。なぜなら、固くなった足底の筋肉がなかなか柔らかくならないのは、血流不足になっている状態だからです。
人間の体の栄養分は血液です。血流がしっかり確保されていないと改善には繋がりません。血液は体内の各組織に酸素と栄養素を運び、同時に老廃物や炎症性物質を回収する重要な役割を担っています。
血流不順が引き起こす悪循環
足底筋膜炎において血流が悪化すると、以下のような悪循環が生まれます:
酸素・栄養供給の低下 損傷した組織の修復に必要な栄養素が十分に届かず、治癒が遅れます。特に足は心臓から遠い位置にあるため、もともと血流が滞りやすい部位です。
老廃物の蓄積 炎症性物質が組織内に滞留し、痛みや腫れが持続します。これにより筋肉の緊張がさらに高まり、血管が圧迫されてますます血流が悪化するという悪循環に陥ります。
組織の柔軟性低下 血流不良により筋膜が硬くなり、さらなる損傷のリスクが高まります。硬くなった組織は伸縮性を失い、歩行時の衝撃を吸収できなくなります。
重心バランスと血流の関係
踵に負荷が加わっているということは、重心のバランスが後方重心になっています。後方重心のまま生活、歩行していては一向に痛みは緩和していきません。
当院の重心バランス整体は、頭部の位置、体幹の位置、骨盤の位置を調整し、体の根本的なバランスを整えていきます。体のバランスが整うことで、各部位への血流が改善され、足底筋膜への負担も軽減されるのです。
水分不足が足底筋膜炎に与える影響
水分と血液の密接な関係
血液循環を語る上で、水分補給は切り離せません。人体の約60%は水分で構成されており、血液の約90%も水分でできています。適切な水分バランスが保たれていないと、血液循環に大きな影響を及ぼします。
水分不足がもたらす具体的な影響
・血液粘度の上昇
水分不足により血液がドロドロになり、循環が悪化します。特に起床時の一歩目に強い痛みを感じる足底筋膜炎の方は、夜間の水分不足による血液濃縮が一因となっている可能性があります。
・関節・筋膜の潤滑不足
関節液や滑膜の分泌が減少し、足底筋膜の滑りが悪くなります。これにより歩行時の摩擦が増加し、組織への負担が増大します。
・老廃物排出の阻害
腎臓機能が低下し、体内の老廃物排出が困難になります。炎症性物質が体内に蓄積することで、痛みや腫れが長引く原因となります。
・筋肉の柔軟性低下
水分不足の状態では、筋肉や筋膜の柔軟性が失われます。踵はふくらはぎの筋肉やアキレス腱と密接な関係があるため、これらの箇所が固くなることで足底筋膜への負担がさらに増加します。
効果的な水分補給の方法
摂取量の目安
一般成人の場合、体重1kgあたり30-35mlが目安となります。体重60kgの方であれば、1日1.8-2.1L程度です。ランニングなどの運動をされる方は、発汗量に応じて追加で500ml-1L程度の水分補給が必要です。
効果的な摂取タイミング
起床時 コップ1杯の常温水を飲むことで、夜間に濃縮された血液を希釈し、循環を改善します。朝の一歩目の痛みを軽減するためにも、起床時の水分補給は特に重要です。
運動前後 運動前の水分補給はパフォーマンス維持に、運動後の水分補給は疲労回復促進に効果的です。ランニングや長時間のウォーキングをされる方は、運動中もこまめな水分補給を心がけましょう。
就寝前 夜間の血液粘度上昇を予防するため、就寝前にも少量の水分補給をおすすめします。ただし、夜間頻尿が心配な方は、就寝2時間前までに済ませるとよいでしょう。
水分の種類
基本は常温の水が最適です。運動時には電解質を含むスポーツドリンクも効果的ですが、糖分の摂りすぎには注意が必要です。カフェインやアルコールには利尿作用があるため、水分補給としては適しません。
血液循環改善のための実践的セルフケア
日常生活で取り入れやすい方法
足湯による血管拡張 38-40℃のお湯に10-15分間足をつけることで、血管が拡張し血流が改善されます。入浴後は急激に冷やさず、保温を心がけましょう。
足首の運動 デスクワーク中でも足首を回したり、つま先立ちを行うことで、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たし、下肢の血流を促進します。
適度な運動 ウォーキングや水泳など、負荷の少ない有酸素運動は全身の血液循環を改善します。ただし、痛みが強い時期は無理をせず、当院で適切な運動時期についてご相談ください。
当院での総合的アプローチ
当院では、初回のカウンセリング・検査に時間をかけ、体の連動性やバランスの状態をしっかり把握します。その上で、以下のような総合的なアプローチを実施しています。
重心バランスの調整
体の根本的なバランスを調整することで、痛みの改善はもちろん、痛みが出にくい体を作っていくことができます。バランスが整うことで各部位への血流も改善され、自然治癒力が高まります。
血流を良くするための整体
固くなった筋肉をほぐすだけでなく、血流がしっかり確保されるような整体を行います。股関節、膝関節、足関節の動きを正常にすることで、下肢全体の循環が改善されます。
まとめ:トータルケアで根本改善へ
足底筋膜炎の改善には、体の連動性やバランスの調整に加えて、血液循環の改善と適切な水分補給が重要な役割を果たします。これらの要素は相互に関連しており、一つが改善されると他の要素にも好影響が及びます。
当院の重心バランス整体で体の根本的なバランスを整え、同時に血流改善と適切な水分補給を実践することで、長年悩んでいた足底筋膜炎も根本から改善することが可能です。
「湿布やインソールを使っても痛みが改善されない」「何ヶ月も痛みが引かない」とお悩みの方は、ぜひ一度当院の施術を受けてみませんか。今まで踵の痛む場所しか対処してこなかったのであれば、体の連動性やバランス、そして血液循環を整えていくことによって体は変化していきます。
数ヶ月も痛みや辛さを抱えて、好きなことや運動を制限しているのであれば、当院で根本からの改善を目指しましょう。







