「朝、ベッドから起き上がろうとすると腰が痛い」
「起きた直後が一番腰が重くて、しばらく動いていると楽になる」
このような経験はありませんか?
腰痛というと、仕事で重いものを持ったり、長時間座っていたりしたことが原因だと思われがちです。
しかし、なかには「特に何もしていないのに、朝起きたときに腰が痛い」という方もいます。
では、なぜ寝ているはずなのに腰が痛くなるのでしょうか?
朝の腰痛は「寝ているから起こる」とは限らない
まず知っておいていただきたいのは、朝の腰痛にはさまざまな原因があるということです。
寝ている間に同じ姿勢が続くことで、腰や股関節まわりが動かしにくくなっている場合もあります。
また、寝返りが少なく、長時間同じ姿勢が続けば、起きた直後に体がスムーズに動かないこともあります。
ただし、「朝痛い=寝具が悪い」「朝痛い=腰の筋肉が硬い」と単純に決めつけることはできません。
腰痛は、腰そのものだけではなく、股関節や骨盤、背中などの動き、日中の姿勢や体の使い方など、いくつもの要素が関係することがあります。
「起き上がる動作」で腰が痛くなる人は要注意
朝の腰痛で特に気になるのが、
「仰向けから起き上がるときに痛い」
というケースです。
寝ている状態から起き上がるときには、腰だけを動かしているわけではありません。
背中、骨盤、股関節、腹部などが連動して動きます。
ところが、どこかの動きが十分でないと、その分を別の場所が頑張らなければなりません。
例えば、股関節が動きにくい状態で無理に起き上がろうとすると、腰を大きく動かしてしまうことがあります。
このように考えると、「腰が痛いから腰だけを揉む」という方法だけでは、なぜ朝に痛みが出るのかという部分まで見えてこないことがあります。
朝の腰痛に、いきなり強いストレッチは必要?
朝起きて腰が痛いと、
「硬くなっているから伸ばそう」
と、腰を強く反ったり、前屈したりする方もいます。
しかし、腰痛の原因や状態は人によって違います。
気持ちよく動かせる範囲の軽い運動は問題ないことが多い一方、痛みを我慢して強く伸ばすことはおすすめできません。
世界保健機関(WHO)も、腰痛に対しては状態に合わせた運動や身体活動を重視しています。重要なのは「何をするか」だけではなく、「今の自分の状態に合っているか」です。
当院では「朝に痛い腰」だけを見ません
「腰が痛い場所」と「腰に負担をかけている場所」が同じとは限りません。
当院では、腰だけを確認して終わりにはしません。
朝起きたときにどの動作で痛いのか。
前にかがむとどうなのか。
立ち上がるとどうなのか。
歩いたときはどうなのか。
さらに、股関節や骨盤、背中、足などがどのように動いているのか。
こうした全身の動きを確認しながら、「なぜ腰に負担が集中しているのか」を考えていきます。
これは、単純に「骨盤が歪んでいるから腰痛になる」と決めつけるという意味ではありません。
一人ひとり違う体の使い方を確認することが大切だと考えています。
朝の腰痛を放置しないために
朝の腰痛があるからといって、すぐに重大な病気というわけではありません。
しかし、痛みが長く続く、どんどん悪化する、足のしびれや力が入りにくい感じがある、発熱を伴うなどの場合には、整形外科などの医療機関で状態を確認することも大切です。
腰痛には、一般的な筋肉や関節の問題だけでなく、別の病気が関係している場合もあります。WHOも、腰痛ではまず状態をきちんと評価することが重要だとしています。
「朝だけだから大丈夫」と決めつけず、
なぜ朝に痛いのか?
を一度考えてみてください。
腰だけを見るのではなく、起き上がるという一つの動作を全身から見直すことで、今まで気づかなかった体の使い方が見えてくることがあります。







