「転んで手をついてから、手首の小指側が痛い」
「床から立ち上がるときに手をつくとズキッとする」
「腕立て伏せやトレーニングで手首に体重をかけると痛い」
このような症状があると、「もしかしてTFCC損傷なのでは?」と心配になりますよね。
TFCC損傷では、手首の小指側に痛みが出ることがあります。特に、手をついて体重をかける動作や、手首をひねる動作で痛みが出るケースがあります。
では、なぜ「手をつく」という一見単純な動作で痛みが出るのでしょうか。
手をつくとき、手首には大きな負担がかかります
普段、立っているときには体重の多くを足で支えています。
ところが、転倒したときや床に手をついたときには、その負荷を手首で受けることになります。
特に手首を反らした状態で体重がかかると、手首の関節には圧縮する力が加わります。
TFCCは、手首の小指側にある組織の集まりで、前腕にある橈骨と尺骨の間の関節や、手首の安定性にも関わっています。
そのため、TFCCに損傷がある場合には、手をついて体重をかけたときに小指側の手首へ痛みを感じることがあります。
「普段はそれほど痛くないのに、手をついた瞬間だけ痛い」という方も珍しくありません。
「手をつくと痛い=TFCC損傷」とは限りません
ここで注意していただきたいことがあります。
手をついたときの手首の痛みは、TFCC損傷だけで起こるわけではありません。
手首には多くの骨や靭帯、腱などがあり、痛みが出る場所が似ていても原因が異なることがあります。
例えば、
- 手首の靭帯の損傷
- 尺骨側の関節の問題
- 腱や腱鞘の炎症
- 骨折や骨挫傷
- 手首の関節そのものの障害
などでも、手をついたときに痛みが出ることがあります。
また、TFCCの損傷が画像検査で見つかったとしても、画像上の損傷が必ずしも現在の痛みの原因とは限りません。
実際、TFCCの損傷は、痛みや手首の不安定感がない人の画像検査で見つかることもあります。
そのため、「MRIでTFCCに異常があった」という情報だけで判断するのではなく、実際の症状や手首の動き、痛みが出る動作などを合わせて考えることが大切です。
特に注意したいのは「体重をかけたときの痛み」
TFCC損傷が疑われる方で、
「机に手をつく」
「椅子から立ち上がるときに手をつく」
「床から起き上がる」
「腕立て伏せをする」
といった動作で痛みが出る場合は、手首に荷重がかかったときの状態を確認することが重要です。
さらに、
「手をついた状態から体を動かすと痛い」
「手首をひねると小指側が痛む」
「ドアノブを回すと痛い」
「ペットボトルのふたを開けると痛い」
などの症状が一緒に出ていないかも確認してみましょう。
痛みがある状態で無理に荷重を続けない
スポーツをしている方の場合、「多少痛くても練習は続けたい」と考えることがあります。
しかし、手首に体重をかけるたびに強い痛みが出るのであれば、その動作を何度も繰り返すことはおすすめできません。
特に、痛みが強くなっている、腫れがある、手首が不安定に感じる、握力が落ちた、転倒後から強い痛みが続いている、といった場合には、一度医療機関で状態を確認することが大切です。
「痛いけれど我慢できるから大丈夫」とは限りません。
Utile整骨院では「どの動作で痛むのか」を大切にしています
TFCC損傷の方をみるとき、当院では「小指側が痛い」という場所だけで判断するのではなく、どのような動作で痛みが出るのかを大切にしています。
同じ手首の痛みでも、
「手をついたときだけ痛い」
「ひねると痛い」
「握ると痛い」
「ラケットを振ると痛い」
では、身体の使い方や負担のかかり方が違います。
そのため、痛みの出る動作を確認しながら、手首がどの方向に動くと負担が増えるのか、前腕や肘・肩などがどのように連動しているのかを確認していきます。
TFCC損傷という名前だけを見るのではなく、「自分は何をすると痛いのか」を整理することが、改善を考えるうえで大切だと考えています。
まとめ
TFCC損傷では、手をついて体重をかけたときに手首の小指側が痛くなることがあります。
ただし、手をついたときの痛みだけでTFCC損傷と判断することはできません。
痛みが続いている場合には、
「いつから痛いのか」
「どの動作で痛いのか」
「ひねると痛いのか」
「手をついたときだけ痛いのか」
など、自分の症状を整理してみましょう。
手首の痛みを我慢しながらスポーツや日常生活を続けている方は、一度現在の状態を確認することをおすすめします。
参考文献
- American Society for Surgery of the Hand, “TFCC Tears & Repairs”
- American Academy of Orthopaedic Surgeons, Hand and Wrist Injuries







