「ハグルンド病と診断されたけど、いったい何なんだろう?」「病院でハグルンド病という言葉を聞いたけど、よくわからなかった…」——そんな方も多いのではないでしょうか。
聞き慣れない病名で戸惑われる方もいらっしゃいますが、実はかかとの痛みを抱えるランナーや女性に多く見られる症状です。今回はハグルンド病について、できるだけわかりやすくご説明します。
ハグルンド病ってどんな病気?
ハグルンド病とは、かかとの骨(踵骨)の後上部が異常に突出し、その部分がアキレス腱や滑液包(かつえきほう)と摩擦を繰り返すことで、炎症や痛みが生じる状態です。
1928年にスウェーデンの整形外科医ハグルンド氏が報告したことからこの名前がついており、「ポンプバンプ(Pump Bump)」とも呼ばれます。ヒールのある靴を日常的に履く女性に多く見られることが名前の由来です。
こんな症状はありませんか?
- かかとの後ろ側が靴に当たると痛い
- アキレス腱の付着部あたりが赤く腫れている
- 朝起きてすぐ歩き出すとかかとが痛い
- 長時間歩いたり走ったりすると痛みが増す
- かかとに硬いしこりのようなものができている
放置すると慢性化し、アキレス腱炎や滑液包炎を併発することもありますので、早めのケアが大切です
なぜなるの?原因を知ろう
① かかとの骨の形態的特徴 生まれつきかかとの骨が大きめ・突出しやすい形の方は、靴との摩擦が起きやすく発症リスクが高まります。
② 合わない靴・硬い靴 ヒールのある靴や、かかと部分が硬い靴を長期間履き続けることで、骨と靴が継続的に摩擦し炎症が起きます。
③ 足首・脚のアライメント(姿勢・骨格)の乱れ O脚・X脚、足のアーチの崩れ、骨盤の歪みなどによって、歩行時にかかとへの負担が偏ることが引き金になります。
④ スポーツによる反復負荷 ランニングやジャンプ系スポーツでは、かかとへの繰り返しの衝撃が炎症を慢性化させることがあります。
似ている疾患との違いを知ろう
かかとの痛みはハグルンド病以外にもさまざまな原因が考えられます。症状が似ていて混同されやすい疾患をご紹介します。
● アキレス腱炎 アキレス腱そのものに炎症が起きる疾患です。痛みの場所がアキレス腱全体に広がる点がハグルンド病との違いで、かかとの骨の突出は伴いません。ハグルンド病が悪化するとアキレス腱炎を併発することもあり、両方を同時に抱えるケースも少なくありません。
● 足底筋膜炎 かかとの痛みといえばこちらをイメージされる方も多いかと思います。ただし足底筋膜炎の痛みはかかとの「裏側・底面」に出るのが特徴で、ハグルンド病のように「かかとの後ろ側」ではありません。朝の一歩目に痛みが出る点は共通していますが、痛む場所で区別できます。
● アキレス腱付着部炎 アキレス腱がかかとの骨に付着する部分に炎症が起きる疾患で、ハグルンド病と非常に近い場所に痛みが出ます。大きな違いは、ハグルンド病には骨の突出(変形)が伴う点です。レントゲンで確認できることが多く、骨の形に問題がなければアキレス腱付着部炎と判断されるケースが一般的です。
● シーバー病(踵骨骨端症) 成長期の子どもに多い疾患で、かかとの骨の成長軟骨部分に炎症が起きます。痛む場所がハグルンド病と近いため混同されることがありますが、シーバー病は主に10歳前後の子どもに発症し、大人にはほとんど見られません。
● 滑液包炎(バーサイティス) 骨や腱の摩擦を和らげる「滑液包」という袋状の組織が炎症を起こす疾患です。実はハグルンド病が進行すると、かかと後方の滑液包が炎症を起こすことが多く、両者は密接な関係にあります。滑液包炎単独で起きることもありますが、ハグルンド病との合併が疑われる場合は総合的な評価が必要です。
似た症状でも原因や適切なケアの方法が異なります。「かかとが痛い」と一口に言っても、どの部分がどのように痛むのかをしっかり見極めることがとても大切です。
当院での治療について
当院では、患部だけを処置するのではなく、症状の本当の原因に対してアプローチすることを大切にしています。
初回のカウンセリング・検査では、姿勢・重心バランス・歩き方・筋肉の状態などを丁寧に確認し、どこに根本的な原因があるかを特定していきます。
その上で、以下のような流れで施術を進めていきます。
① 重心バランス整体
骨盤・背骨の歪みや重心の偏りを整えることで、足への負担が均等にかかるよう身体全体を調整します。 患部への負担を減らすためには、まず土台となる身体のバランスを整えることが不可欠です。
② 患部周囲へのアプローチ
かかとやアキレス腱周囲、ふくらはぎの筋肉の緊張・硬さを丁寧にほぐし、炎症が起きにくい状態をつくっていきます。 痛みのある部分だけでなく、関連する筋肉・関節全体にアプローチすることで、症状の再発防止にもつながります。
③ トレーニング・リハビリ指導
施術だけで終わりにするのではなく、日常生活やスポーツに復帰するためのリハビリや、再発を防ぐためのセルフケアをご指導しています。 ふくらはぎのストレッチや足底・足首まわりの筋力強化など、ご自宅でも無理なく取り組めるメニューをお伝えします。
まとめ
ハグルンド病は、かかとの骨の突出による摩擦が原因で起こる疾患です。足底筋膜炎やアキレス腱炎など似た症状の疾患も多く、「なんとなくかかとが痛い」という状態でも原因はさまざまです。大切なのは、痛む場所や症状の特徴をきちんと把握し、正しい原因にアプローチすること。湿布や安静だけでなかなか改善しない場合は、身体全体のバランスに問題が隠れていることが少なくありません。
当院ではハグルンド病をはじめ、かかとや足まわりの痛みにも対応しております。「病院に行ったけどはっきりしなかった」「ずっと痛みが続いている」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。一緒に原因を探し、根本から改善するお手伝いをさせていただきます。







