「靴を履くたびにかかとが痛い」「アキレス腱の付け根あたりが腫れている」という症状でお悩みではありませんか?それは、ハグルンド病(Haglund’s disease)かもしれません。今回は、その原因や症状、そして日常生活でできる対処法についてわかりやすくご説明します。
ハグルンド病とは/症状と原因
ハグルンド病とは、「アキレス腱滑液包炎」のことで、アキレス腱がかかとの骨(踵骨)に付着する部分で骨が出っ張り、その周辺にある滑液包(かつえきほう)と呼ばれる袋状の組織が炎症を起こす状態です。靴のかかと部分が繰り返し骨に当たることで摩擦・圧迫が積み重なり、徐々に骨が突出してきます。
主な症状としては、かかとの後方の赤み・腫れ・熱感、歩行時や靴が当たったときの痛み、かかとの骨の出っ張り、足首を動かした際の痛みなどが見られます。
原因としては、かかとが硬い靴(革靴・パンプス・ブーツなど)の長時間使用、ハイアーチやO脚・外重心など足のゆがみ、ランニングやサッカーなど走り込みの多いスポーツによる繰り返し負荷などが挙げられます。こうした要因が重なることで発症しやすくなります。
対処法
1. 安静にする
痛みが強い時期は、まず患部を休めることが最優先です。無理に歩き続けたり、患部に負担をかけるスポーツを続けたりすると、炎症が悪化して慢性化してしまいます。痛みのある間は、できるだけかかとへの負担を減らしましょう。
2. アイシング(冷やす)
患部に熱感・赤みがある急性期には、アイシングが有効です。氷や保冷剤をタオルで包み、1回15〜20分を目安に1日2〜3回行いましょう。冷やしすぎると凍傷になる恐れがあるため、必ずタオルなどを介して使用してください。
※腫れや熱感が落ち着いてきたら、アイシングは必要なくなります。
3. ふくらはぎのストレッチ
アキレス腱につながるふくらはぎが硬くなると、かかとの骨を引っ張る力が強くなり、症状が悪化しやすくなります。ふくらはぎを丁寧にストレッチすることで、踵骨への負担を軽減できます。
【ストレッチの方法】
- 壁に両手をつき、片足を後ろに引く
- かかとを床にしっかりつけたまま、前の足を軽く曲げて体重をかける
- ふくらはぎが伸びているのを感じながら10〜15秒キープ
- 左右各2〜3セット、1日2回程度行う
※痛みのある急性期は無理にストレッチを行わず、熱感・腫れが落ち着いてから始めましょう。
4. 靴の見直し
ハグルンド病の多くは、かかとへの繰り返しの圧迫が原因です。靴の選び方を見直すことが症状改善・再発予防にとても重要です。
- かかとが硬い革靴・ハイヒール・ブーツはできるだけ避ける
- かかとの後方がオープンになっているサンダルやスリッパに切り替えると患部への刺激が減る
- どうしても靴が必要な場合は、かかと部分にソフトなクッションパッドを貼り付けて圧力を分散させる
5. 患部周辺のセルフマッサージ
炎症が落ち着いてきたら、出っ張っている患部周辺の皮膚を柔らかくするマッサージが効果的です。出っ張りの周囲の皮膚をアキレス腱と一緒に、上下・左右にゆっくり動かすようにほぐしていきます。強くつまんだり押し込んだりすると逆効果になるため、あくまでも「やさしく・丁寧に」行うことがポイントです。
6. サポーターについて
「サポーターをつけた方がいいですか?」とよく聞かれます。サポーターには患部を保護し、靴との直接的な摩擦を和らげる効果があるため、痛みに対する安心感を得やすいというメリットがあります。
ただし、必ずつけなければ良くならないというわけではありません。むしろ、サポーターを強めに巻きすぎたり、長時間つけっぱなしにしてしまうと、患部周辺の血流が悪くなり、回復を妨げてしまうこともあります。
「つけると楽になる」と感じる方は上手に活用していただいて構いませんが、つけてもつけなくても痛みや状態があまり変わらないという方は、無理につける必要はありません。サポーターはあくまで補助的なものとして、自分の体の感覚を大切にしながら判断してみてください。
当院でのサポート
当院では、患部へのケアだけでなく、ハグルンド病の背景にある足のゆがみや全身の重心バランスの乱れにも着目した施術を行っています。アキレス腱・ふくらはぎへのアプローチと合わせて、足元から根本的な改善を目指します。
かかとの痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。







