こんな手首の痛みでお悩みではありませんか?
手首の小指側に痛みを感じて1ヶ月以上経っても改善しない、手をついて立ち上がるとズキッと痛む、バットやラケットを振ると痛みが走る…このような症状がある場合、TFCC損傷の可能性があります。
TFCC(三角線維軟骨複合体)損傷は、手首の尺側(小指側)に痛みが出るスポーツ障害の一つです。テニス、野球、ゴルフ、バスケットボールなど、手首に負担がかかるスポーツをしている方に多く見られます。
その痛み、サポーターに頼りすぎていませんか?
TFCC損傷の痛みに対して、多くの方がサポーターで手首を固定して様子を見ているのではないでしょうか。確かにサポーターは痛みを一時的に和らげてくれることがあります。しかし、サポーターだけに頼り続けることには注意が必要です。
サポーターの役割と限界
サポーターは手首の動きを制限することで、患部への負担を軽減させる補助的な役割を果たします。急性期の炎症がある時期や、どうしても休めない試合がある時などには有効な場合もあります。
しかし、サポーターで固定し続けると以下のような問題が生じる可能性があります。
筋力の低下: 長期間の固定により手首周辺の筋肉が衰えてしまいます。
関節の硬さ: 動きを制限し続けることで関節の可動域が狭くなってしまいます。
根本原因の放置: 痛みだけを抑えても、痛みの本当の原因は解決されません。
依存性: サポーターなしでは不安になり、外せなくなってしまうケースも少なくありません。
当院では、サポーターを推奨しているわけではありません。サポーターに頼りすぎず、根本的な原因にアプローチすることが大切だと考えています。
TFCC損傷が長引いてしまう本当の理由
「安静にしていれば良くなる」「サポーターで固定して様子を見よう」と言われて数週間、数ヶ月経っても改善しない方が多くいらっしゃいます。なぜ良くならないのでしょうか。
それは、痛みの原因が手首だけにあるのではないからです。当院に来院される方を検査すると、以下のような原因が隠れていることがわかります。
前腕の骨のバランスの崩れ
前腕には橈骨と尺骨という2本の骨があり、これらのバランスが崩れることで手首の動きが悪くなります。その結果、手をついた時の衝撃を受け流せなくなったり、バットやラケットを振る時に同じ場所へ繰り返し負担がかかってしまうのです。
肩甲骨や体全体のバランスの問題
手首は体の末端部分です。実は肩甲骨や肩関節といった上肢の支点に問題があると、その影響が手首にまで及んでしまいます。さらに、骨盤や背骨といった体全体の土台が不安定だと、手首への負担が増してしまうのです。
このように、手首だけでなく体全体のバランスを整えることが、TFCC損傷の根本改善には欠かせません。
当院での改善アプローチ
当院では、手首だけでなく体全体を見て根本的な原因にアプローチしていきます。
前腕のバランス調整
橈骨と尺骨のバランスを整え、前腕の筋肉の緊張を取り除いていきます。骨のバランスが整うことで、手首の関節の動きがスムーズになります。
肩甲骨・肩関節の調整
支点となっている肩甲骨の位置や肩関節の可動域を検査し、どこに問題があるのかを見極めます。支点が安定することで、上肢全体に連動性が生まれ、手首への過剰な負担が軽減されます。
全身の重心バランスの調整
痛みを取り除くだけなら、上記の2つで十分かもしれません。しかし、それだけではスポーツ復帰後に再び痛めてしまうリスクが残ります。
せっかく痛みが改善しても、また同じことを繰り返しては意味がありません。体全体のバランスを整えることで、痛みが出にくい体づくりを目指します。
サポーターから卒業するためのサポート
当院では、施術で痛みが軽減してきたら、徐々にサポーターを外していけるようサポートしています。
まずは日常生活でサポーターなしで過ごす時間を増やし、痛みの様子を見ながら段階的に外していきます。同時に、手首周辺の筋力を回復させるエクササイズや、正しい体の使い方の指導も行います。
「サポーターがないと不安」という心理的な依存から抜け出し、自分の体に自信を持てるようになることも大切なゴールです。焦らず、あなたのペースで進めていきましょう。
サポーターとの正しい付き合い方
当院では基本的にサポーターへの依存は推奨していませんが、使用する場合は以下のポイントを意識してください。
急性期のみの使用: 痛みが強い初期段階では短期間使用することは有効です。
段階的に外す: 痛みが軽減してきたら、徐々にサポーターを外す時間を増やしていきましょう。
根本治療と併用: サポーターだけに頼らず、根本的な原因への施術を受けることが大切です。
トレーニングの重視: サポーターで固定している間も、可能な範囲で筋力を維持するエクササイズを行いましょう。
サポーターはあくまで補助的なツールです。痛みの本当の原因を解決しなければ、サポーターを外した途端に痛みが戻ってしまいます。
まとめ
TFCC損傷は単に手首だけの問題ではありません。前腕の骨のバランス、肩甲骨や肩関節の状態、そして体全体の重心バランスといった複数の要因が絡み合っています。
サポーターで痛みを誤魔化すのではなく、根本的な原因にアプローチすることで、本当の意味での改善を目指すことができます。
「もう1ヶ月以上良くならない」「手術しかないと言われた」「サポーターなしでは不安」という方も、諦める必要はありません。
当院では、あなたが一日でも早くスポーツに復帰できるよう、全力でサポートいたします。手首の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。







