テニス肘でお悩みではありませんか?
- 物を持ったり雑巾を絞ると肘が痛む
- ペットボトルの蓋を開けるのも辛い
- サポーターをつけているのになかなか良くならない
- 1ヶ月以上痛みが続いている
- いつになったら競技に復帰できるのか不安
このような症状でお困りの方は、ぜひ最後までお読みください。
テニス肘(外側上顆炎)とは
テニス肘は、正式には「外側上顆炎」と呼ばれる疾患です。肘の外側にある骨の突起部分(外側上顆)に付着している筋肉や腱に炎症が起こり、痛みが生じます。
テニスをしている方に多く見られることからこの名前がついていますが、実際にはテニスをしていない方でも発症します。日常生活での繰り返しの動作や、パソコン作業、家事などでも発症することがあります。
サポーターの役割と限界
テニス肘になると、多くの方がサポーターを使用されます。サポーターには確かに一定の効果がありますが、その役割と限界を正しく理解することが大切です。
サポーターの効果
サポーターには以下のような効果が期待できます
1. 筋肉や腱への負担軽減 前腕の筋肉が肘に付着する部分を圧迫することで、筋肉の収縮時にかかる負担を分散させます。
2. 痛みの軽減 適度な圧迫により、一時的に痛みを和らげる効果があります。
3. 動作時の安心感 サポーターをつけることで、動作時の不安感が軽減され、心理的なサポートにもなります。
サポーターの限界と注意点
しかし、サポーターには以下のような限界があることを知っておく必要があります:
1. 根本的な治療ではない
サポーターは痛みを一時的に和らげることはできますが、テニス肘の根本原因を取り除くものではありません。サポーターをつけていれば治るというものではないのです。
2. 長期使用による弊害
サポーターに頼りすぎると、筋肉が本来の働きをしなくなり、かえって筋力低下を招く可能性があります。また、サポーターなしでは動かせなくなってしまうこともあります。
3. 圧迫による血行不良
きつく締めすぎると血行が悪くなり、回復が遅れる可能性があります。
4. 他の部位への負担増加
サポーターで肘の痛みを抑えながら動かし続けると、肩や手首など他の部位に余計な負担がかかり、新たな問題を引き起こすことがあります。
なぜテニス肘はなかなか改善しないのか
湿布やサポーターをして様子を見ていたけれど効果が感じられない、電気治療やマッサージを受けても痛みが良くならない――このような経験をされている方は少なくありません。
それは、肘や前腕だけにアプローチしているからです。
テニス肘の本当の原因
実は、長引くテニス肘の原因は肘だけにあるのではありません。
1. 肩や手首の関節の動きの悪さ
肘は肩と手首に挟まれた関節です。隣接する関節の動きが悪くなると、肘に過剰な負担がかかります。本来、手首→肘→肩と連動して動くべきところ、この連動性が崩れることで特定の部位に負担が集中するのです。
2. 背骨(胸椎)の硬さ
意外かもしれませんが、上肢の支点は実は背骨にあります。肩甲骨の内側にある胸椎が動かなくなることで、肘にかかる負荷が倍増します。支点の動きが悪ければ、肘や前腕の筋肉が過剰に働かざるを得なくなるのです。
3. 全身の重心バランスの崩れ
長期間痛みをかばいながら生活していると、体のバランスが崩れてしまいます。このバランスの崩れが、さらに痛みを長期化させる要因となり、症状が改善してもすぐに再発してしまう原因になります。
当院でのアプローチ
当院では、テニス肘を肘だけの問題として捉えず、全身のバランスから改善していきます。
包括的な検査と調整
・肩・手首の動きの検査と調整
硬くなっている関節の動きを調整し、手首・肘・肩が連動して使えるように整えていきます。
・胸椎(背骨)の調整
支点となる胸椎の動きを改善することで、肘や前腕の筋肉への負担を自然と軽減します。背骨は1つ1つが積み木のように重なっているため、1箇所の動きの悪さが全体に影響します。
・重心バランスの調整
全身のバランスを整えることで、痛みの再発を予防し、以前より高いパフォーマンスを発揮できる体づくりをサポートします。
実際の改善例
「マッサージや鍼灸で改善しなかった肘の痛みが、数回の治療で改善し普通にテニスができるようになりました」という患者様の声を多数いただいています。
当院の施術は痛みを伴わないソフトな整体です。バキバキと音を鳴らすような施術ではなく、重心を確認しながらゆるやかに関節を動かしていきます。多くの方が、施術翌日から痛みの軽減を実感されています。
サポーターとの正しい付き合い方
当院は、サポーターの使用を全面的に推奨しているわけではありません。適切な場面で適切に使用することが大切です。
サポーターを使用してもよい場面
- 急性期で強い痛みがある時の一時的な使用
- どうしても負荷のかかる作業をしなければならない時
- スポーツ復帰の初期段階での補助的な使用
サポーターに頼りすぎないために
- サポーターは「治療道具」ではなく「補助道具」と考える
- 痛みが軽減してきたら、徐々に使用時間を減らしていく
- サポーターなしでも動かせる時間を少しずつ増やす
- 根本的な治療を並行して行う
サポーターをつけていれば安心という考え方では、いつまでも本当の改善には至りません。サポーターに頼らなくても痛みなく動かせる体を取り戻すことが、最終的な目標です。
サポーターを使用する際の具体的なポイント
サポーターを使用している方、これから使用を検討している方に、より詳しくお伝えしたい内容があります。
サポーターの選び方
適度な圧迫感のものを選ぶ きつすぎると血行不良を起こし、ゆるすぎると効果がありません。装着時に少し圧迫感はあるが、痺れや皮膚の色が変わらない程度が適切です。
装着位置に注意 肘の少し下、前腕の太い部分につけるのが一般的です。正しい位置につけないと効果が得られません。
心理的なサポートとしての役割
「サポーターをつけていると安心できる」という方は、決して少なくありません。この心理的な安心感も、痛みを和らげる一つの要素です。
もし、サポーターをつけることで安心して日常生活を送れるのであれば、無理に外す必要はありません。大切なのは「サポーターがないと動かせない」という状態から、「いずれはサポーターなしでも生活できる」状態を目指していくことです。
徐々にサポーターから卒業していく
治療を進めていく中で、「今日はサポーターなしでも大丈夫かもしれない」と感じる瞬間が出てきます。そうしたら、まずは家の中にいる時だけ外してみる、痛みが軽減してきたら外出時も短時間外してみるなど、無理のない範囲で徐々にサポーターを外す時間を増やしていきましょう。
痛みが強い時期は必要に応じて使用してかまいませんが、1日中つけっぱなしにするのではなく、本当に負荷がかかる動作をする時だけに限定することをおすすめします。
回復が進むにつれて、自然と「サポーターなしでも動かせる」という自信がついてきます。焦らず、ご自身のペースで少しずつサポーターに頼らない生活を目指していきましょう。
サポーターの使用で注意したいこと
スポーツ時の使用について
復帰初期は補助的に使用してもかまいませんが、長期的にはサポーターなしでプレーできることを目指しましょう。サポーターに頼りながらのプレーは、フォームの乱れや他の部位への負担につながる可能性があります。本来の動きができる体を取り戻すことが、パフォーマンス向上にもつながります。
就寝時の使用について
夜寝る時は基本的にサポーターを外すことをおすすめします。就寝中は腕を動かすことが少ないため、サポーターの必要性は低く、むしろ血行を妨げる可能性があります。安静にしている時間は、サポーターなしで過ごすようにしましょう。
痛みが出ないことと治癒の違い
「サポーターをつけていれば痛みが出ないから治ってきている」と感じる方もいらっしゃいますが、それは「痛みが隠されている」だけの可能性があります。サポーターを外した時に痛みが出るようであれば、まだ治療が必要な状態です。真の改善は、サポーターなしでも痛みが出ない状態を目指すことです。
まとめ
テニス肘は、適切なアプローチをすれば必ず改善します。サポーターは一時的な補助としては有効ですが、それだけに頼っていては根本的な改善は望めません。
大切なのは
- 肘だけでなく、全身のバランスから原因を探ること
- サポーターは補助道具として適切に使用すること
- サポーターに安心感を感じる方は使用してもよいが、いずれは外して生活できることを目指すこと
- 段階的にサポーターから卒業していくこと
- 根本的な治療を受けること
サポーターをつけることで安心できる方は、無理に外す必要はありません。しかし、最終的には「サポーターがなくても大丈夫」という体を取り戻すことが目標です。当院では、その過程を一緒に歩んでいくサポートをいたします。
もし1ヶ月以上痛みが続いている、サポーターをしても改善しない、いつになったらスポーツに復帰できるのか不安、という方は、ぜひ一度ご相談ください。







