腰やお尻、足に痛みが出ると「坐骨神経痛かな?」「ギックリ腰かな?」と悩まれる方は多いのではないでしょうか。どちらも腰周辺の痛みという点では共通していますが、実は原因も症状も全く異なります。今回は、この二つの違いについて詳しく解説していきます。
ギックリ腰とは?
ギックリ腰は、正式には「急性腰痛症」と呼ばれ、突然強い痛みが腰に走る状態を指します。重いものを持ち上げた時、急に体をひねった時、朝起き上がろうとした時など、何気ない動作がきっかけで発症することが多いのが特徴です。
ギックリ腰の主な症状
- 腰に激しい痛みが走る
- 動けなくなるほどの痛み
- 痛みは腰周辺に限局している
- 発症が突然で急激
- 数日から2週間程度で徐々に改善することが多い
ギックリ腰は筋肉や靭帯、椎間関節などの炎症が原因で起こります。痛みは強烈ですが、適切な対処をすれば比較的短期間で改善していくケースがほとんどです。
坐骨神経痛とは?
一方、坐骨神経痛は症状の名称であり、お尻から足の先まで伸びている坐骨神経に沿って痛みやシビレが出る状態を指します。坐骨神経痛そのものは病名ではなく、何らかの原因によって坐骨神経が圧迫されたり刺激されたりすることで生じる症状です。
坐骨神経痛の主な症状
- お尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけての痛みやシビレ
- 長時間立っていると痛みが増す
- 横になっていても痛みやシビレが出ることがある
- 前屈みや後ろに反る動作で痛みが強くなる
- 症状が慢性的に続くことが多い
決定的な3つの違い
1. 痛みの範囲
ギックリ腰の痛みは主に腰部に限定されますが、坐骨神経痛はお尻から足先まで広範囲に痛みやシビレが走ります。この痛みの範囲の違いが、最も分かりやすい判断基準となります。
2. 発症の仕方
ギックリ腰は突然の激痛で始まりますが、坐骨神経痛は徐々に症状が現れることが多く、だんだんと痛みやシビレが強くなっていくのが特徴です。
3. 原因となる疾患
ギックリ腰は筋肉や靭帯の損傷、関節の炎症などが原因です。一方、坐骨神経痛の背景には、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、梨状筋症候群など、さまざまな疾患が隠れている可能性があります。
意外な共通点もあります
実は、ギックリ腰をきっかけに坐骨神経痛を発症してしまうケースもあります。ギックリ腰によって腰の筋肉が過度に緊張したり、背骨や骨盤の歪みが生じたりすることで、坐骨神経が圧迫されてしまうのです。
また、どちらも根本的な原因として以下の問題が関係していることが多いです:
- 背骨と骨盤の歪み: 体の土台が歪むことで筋肉や神経にストレスがかかります
- 内臓疲労: 内臓の疲れが姿勢を崩し、腰への負担を増やします
- 重心バランスの崩れ: 体のバランスが悪いと特定の部位に負担が集中します
こんな時は要注意!
以下のような症状がある場合は、単なるギックリ腰ではなく坐骨神経痛の可能性があります
- 痛みが足まで広がっている
- シビレを伴う
- 2週間以上経っても改善しない
- 夜間も痛みで眠れない
- 排尿障害がある(緊急性が高い症状です)
適切な対処が重要です
ギックリ腰も坐骨神経痛も、痛みの出ている部分だけに湿布を貼ったり、マッサージをしたりするだけでは根本的な改善にはつながりません。特に坐骨神経痛は原因が多岐にわたるため、しっかりとした検査で原因を特定し、適切なアプローチをすることが大切です。
当院では、詳しいカウンセリングと検査によって痛みの本当の原因を突き止め、背骨・骨盤の歪み、内臓疲労、重心バランスなど、根本原因にアプローチする施術を行っています。
腰やお尻、足の痛みでお悩みの方は、一人で悩まず、ぜひお気軽にご相談ください。あの頃の健康的な体を一緒に取り戻していきましょう。







