野球をしているお子さんや選手の方で、肘の痛みに悩まされている方は少なくありません。「野球肘」と診断され、病院や整骨院に通っているものの、なかなか改善しない、痛みがぶり返してしまうというお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、野球肘の改善には、肘そのものへのアプローチだけでなく、頚椎(首の骨)や血流の状態を整えることが非常に重要なのです。今回は、当院の治療理論を参考に、野球肘と頚椎・血流の関係について詳しく解説していきます。
野球肘とは?
野球肘とは、投球動作の繰り返しによって肘関節に生じる痛みや障害の総称です。痛みが出る部位によって、内側型、外側型、後方型に分類されます。特に成長期のお子さんに多く見られ、小学生から中学生の野球選手の約20%以上に何らかの肘の障害があると報告されています。
一般的には「投げすぎ」が原因と言われますが、実は単純な使いすぎだけが原因ではありません。同じように練習していても野球肘になる子とならない子がいるのは、体全体のバランスや血流の状態が関係しているからです。
なぜ肘だけの治療では改善しないのか?
病院や一般的な整骨院では、痛みがある肘の部分に対して電気治療やマッサージ、痛み止めの処方などが行われます。しかし、これらの対症療法では一時的に痛みが軽減しても、すぐにぶり返してしまうことが多いのです。
その理由は、肘の痛みは「結果」であり、本当の原因は別のところにあるからです。当院では、症状の本当の原因として以下のような要素を挙げています。
• 骨盤の歪み
• 背骨の歪み
• 重心バランスの崩れ
• 筋肉の緊張、歪み
• 血流不順
これらの根本原因にアプローチしなければ、真の改善には至りません。
頚椎(首)と野球肘の関係
頚椎、つまり首の骨の状態が野球肘と深く関係していることをご存知でしょうか。
神経の通り道としての頚椎
頚椎からは、腕や手に向かう神経が枝分かれして出ています。頚椎に歪みやズレがあると、これらの神経が圧迫され、肘や腕の筋肉が正常に機能しなくなります。神経の伝達がうまくいかないと、筋肉のコントロールが悪くなり、投球時に肘へ過度な負担がかかってしまうのです。
姿勢との関連
スマートフォンやゲームの使用により、現代の子どもたちには「ストレートネック」や猫背などの姿勢不良が増えています。頚椎の位置が前方にずれた状態で投球動作を行うと、肩甲骨の動きが制限され、結果として肘に余計なストレスがかかります。
正しい投球フォームを習得するためには、まず土台となる頚椎や背骨の位置を整えることが欠かせません。
血流と野球肘の関係
血流の状態も、野球肘の改善において非常に重要な要素です。
血流が悪化すると起こること
血液は体中に酸素や栄養素を運び、老廃物を回収する役割を担っています。血流が悪くなると以下のような問題が生じます。
1. 筋肉が硬くなる: 十分な酸素や栄養が届かないため、筋肉が硬く緊張した状態になります
2. 回復力が低下する: 損傷した組織の修復に必要な栄養が届かず、治癒が遅れます
3. 痛み物質が蓄積する: 疲労物質や発痛物質が溜まり、痛みが長引きます
4. 可動域が制限される: 筋肉の柔軟性が失われ、関節の動きが悪くなります
身体の歪みと血流の関係
骨盤や背骨、頚椎に歪みがあると、血管が圧迫されたり、筋肉の過緊張によって血液の流れが阻害されます。特に頚椎の歪みは、腕や肘に向かう血流に直接影響を与えます。
また、姿勢が悪いと呼吸が浅くなり、全身の血液循環が悪化します。深い呼吸ができないことで、血液中の酸素濃度が低下し、組織の回復力が落ちてしまうのです。
野球肘における血流障害
医学的にも、野球肘の一つである「上腕骨小頭離断性骨軟骨炎」の発症には血流障害が関与していると考えられています。肘の外側部分への血流が不十分な状態で投球による負荷が加わることで、骨や軟骨にダメージが蓄積していくのです。
当院の根本改善アプローチ
当院では、これらの関係性を踏まえた上で、以下のような施術を行っています。
1. 徹底したカウンセリングと検査
初回に時間をかけてカウンセリングと検査を行い、痛みの本当の原因がどこにあるのかを特定します。単に肘だけでなく、頚椎、背骨、骨盤、重心バランスなど、全身の状態を詳しく分析します。
2. 重心バランス整体
独自の「重心バランス整体」により、骨盤や背骨の歪みを整え、身体全体のバランスを改善します。これにより、神経の圧迫が解放され、血液循環も改善されます。
3. 血流改善へのアプローチ
体の歪みを整えることで、血液循環がスムーズになります。硬くなった筋肉や関節が柔らかくなり、肘への血流も改善されるため、組織の回復力が高まります。
4. 総合的なサポート
施術だけでなく、自宅でできるセルフケアや栄養指導も行い、再発しない身体づくりをサポートしています。
実際の改善例
当院では、野球肘で悩んでいた多くの選手が改善に至った実績があります。
【18歳・硬式野球選手のケース】
まともに投げられなかった野球肘の痛みで悩んでいた選手が、12月に施術を受けてから約1ヶ月で普通に投げられるようになり、春の大会に間に合わせることができました。最後の夏の大会まで無事に続けることができたそうです。
【18歳・キャッチャーのケース】
他の接骨院に週3回、2ヶ月間通ってマッサージと電気治療を受けていたものの、5割程度でしか投げられない状態が続いていました。しかし、体の状態を総合的に診てもらったところ、1〜1.5ヶ月で7〜8割まで投げられるようになり、3ヶ月後にはほぼ10割の力で投げられるまでに回復しました。この院の特徴は、プレーを中止させるのではなく、続けながら完治に導いてくれる点だったそうです。
【12歳・少年野球選手のケース】
整形外科に何度通っても改善しなかった肘の痛みが、実は肩から来ている痛みだということが判明。3週間の施術で痛みが改善し、今では怪我もなく思い切りボールを投げられるようになりました。
これらの改善事例に共通しているのは、肘だけでなく、頚椎、胸椎、肋骨、骨盤といった全身のバランスと血流の状態を総合的に整えたことです。背骨や肋骨の動きを改善することで血液循環が良くなり、肘周辺の筋肉や靭帯に栄養が行き届くようになります。また、骨盤の歪みを整えることで下半身から上半身へスムーズに力が伝わり、肘への負担が軽減されるのです。
まとめ
野球肘の改善には、肘そのものだけでなく、頚椎や血流の状態を整えることが非常に重要です。
• 頚椎の歪みは神経を圧迫し、筋肉の機能を低下させます
• 姿勢不良は投球フォームに影響し、肘への負担を増大させます
• 血流が悪いと筋肉が硬くなり、回復力も低下します
• 体の歪みを整えることで、血液循環が改善され、痛みの根本原因にアプローチできます
もし、お子さんや選手の方が野球肘でお悩みで、他の治療院で改善しなかった、痛みがぶり返すといった経験をお持ちでしたら、一度全身のバランスと血流の状態をチェックしてみることをおすすめします。







