はじめに
長時間のデスクワークで背中の痛みに悩まされていませんか?パソコンに向かって仕事をしていると、気づかぬうちに肩甲骨の間や背中全体に重だるさや痛みを感じるようになります。マッサージや湿布で一時的に楽になっても、またすぐに痛みが戻ってくる。そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
当院には、デスクワークによる背中の痛みでお悩みの方が数多く来院されています。今回は、なぜデスクワークで背中が痛くなるのか、そしてどうすれば根本的に改善できるのかについて詳しくお伝えします。
デスクワークで背中が痛くなる理由
デスクワークによる背中の痛みは、単なる筋肉疲労だけが原因ではありません。長時間同じ姿勢でいることで、体にはさまざまな負担がかかっています。
長時間の不良姿勢
パソコン作業をしていると、無意識のうちに頭が前に出て、背中が丸まった姿勢になりがちです。この姿勢が続くと、背骨のカーブが崩れ、背中の筋肉に過度な負担がかかります。特に肩甲骨周りの筋肉は常に引っ張られた状態となり、痛みや張りを引き起こすのです。
呼吸が浅くなる影響
デスクワークに集中していると、呼吸が浅くなってしまいます。浅い呼吸が続くと、肋骨の動きが制限され、胸椎(背骨の胸の部分)の柔軟性が失われていきます。肋骨と胸椎は連動して動くため、肋骨の動きが悪くなると背骨全体の機能が低下し、背中の痛みにつながるのです。
近年のマスク生活により、さらに呼吸が浅くなっている方が増えています。これも背中の痛みが増加している一因と考えられます。
背中の痛みの本当の原因
当院では、背中の痛みの原因を3つのポイントから考えています。
1. 背骨・肋骨の硬さ
デスクワークでは、長時間同じ姿勢を保つため、背骨と肋骨の柔軟性が失われていきます。背骨は本来、しなやかに動くことで体への負担を分散させる役割がありますが、動きが制限されると特定の部位に負担が集中し、痛みとなって現れます。
2. 内臓からの影響
デスクワークをしている方の多くは、運動不足や食生活の乱れから内臓に負担をかけています。特に肝臓は体全体に血液を巡らせる重要な臓器ですが、疲労すると血流が悪くなり、筋肉に十分な栄養が届かなくなります。
また、肝臓は臓器の中で最も重く、疲労すると下垂(下にさがること)します。内臓が下がると姿勢が崩れ、背骨への負担が増加するのです。
膵臓も背中側に位置する臓器で、消化機能に関わっています。食生活の乱れにより膵臓が疲労すると、背中の痛みを引き起こすことがあります。
3. 重心バランスの崩れ
デスクワークでは上半身ばかりに意識が向きがちですが、実は下半身のバランスも背中の痛みと深く関係しています。
足首、膝、股関節、骨盤といった下半身の安定性が失われると、重心バランスが崩れます。重心バランスが崩れたまま長時間座っていると、体の中心である背骨に大きな負担がかかり、背中の痛みにつながるのです。
当院の改善アプローチ
当院では、これら3つの原因に対して包括的にアプローチしていきます。
人体の構造に合わせた調整
人間の体は内臓の位置や遺伝的に、必ず左右非対称です。左右対称に体を整えようとすることは、実は間違ったアプローチなのです。当院では、人体の自然な構造に合わせた施術を行い、その方に必要な体の状態へと調整していきます。
重心バランスの改善
下半身から上半身まで、全身の連動性を高めるアプローチを行います。重心バランスが整うことで、座っている時の姿勢が自然と改善され、背中への負担が軽減されます。
呼吸機能の回復
肋骨の動きを改善し、深い呼吸ができるようにサポートします。呼吸機能が回復することで、背骨の柔軟性も取り戻され、背中の痛みが軽減していきます。
自宅でできる背中の痛み改善エクササイズ
当院では施術だけでなく、ご自宅でできるセルフケアについてもアドバイスしています。
デスクワークで制限されてしまった肋骨の動きを取り戻し、背骨の柔軟性を回復させることが、背中の痛み改善の鍵となります。また、体幹を安定させることで重心バランスが整い、長時間座っていても背中に負担がかかりにくい体を作ることができます。
これからご紹介する3つのエクササイズは、呼吸機能の改善と体幹の安定化に特化した内容です。毎日コツコツ続けることで、以下のような効果が期待できます。
このエクササイズで得られる効果
- 肋骨の動きが改善され、背骨の柔軟性が回復する
- 深い呼吸ができるようになり、筋肉への血流が改善される
- 体幹が安定し、正しい姿勢を保ちやすくなる
- 重心バランスが整い、背中への負担が軽減される
- デスクワーク中の疲労感が減少する
①インプリント – 基本の呼吸法
まずは正しい呼吸を身につけることが大切です。
やり方
- 仰向けで膝を立てて寝る
- 腰を床にぎゅっと押し付ける
- 鼻から10秒吸う→鼻から10秒吐く→10秒止める
- 5〜10回繰り返す
コツ
吐くときは肋骨が下に降りるイメージで行いましょう。朝起きた時や寝る前がおすすめです。
腹筋が緩んでしまう方は、うつ伏せで肘をついた状態で呼吸練習してから、再チャレンジしてみてください。
②ファーストポジション
体幹を安定させるエクササイズです。
やり方
- 四つん這いから肘と手のひらを床につける
- 背中を丸めて頭も下げる
- この姿勢で鼻呼吸を1分間
- 腹筋の下の方に力を入れる意識で行う
③キャットブリージング
段階的に負荷を上げていくエクササイズです。
やり方(段階的に)
- 四つん這いで背中を丸めて鼻呼吸
- 膝を持ち上げて(足は床と垂直)鼻呼吸
- 膝を伸ばして頭を前に出して鼻呼吸
注意点
苦しくなったらすぐストップ!無理は禁物です。
効果
体幹が安定することで、背中への負担が軽減され、背中の痛みの改善・予防につながります。
最後に
デスクワークによる背中の痛みは、多くの方が抱えている現代病とも言える症状です。しかし、適切なアプローチをすれば必ず改善できます。
痛みのある部分だけでなく、背骨、肋骨、内臓、重心バランスといった体全体を見て、根本原因にアプローチすることが重要です。
マッサージや湿布で一時しのぎを続けるのではなく、根本から改善したいとお考えの方は、ぜひ当院にご相談ください。
当院では、初回のカウンセリングと検査に時間をかけ、お一人おひとりの体の状態をしっかりと把握します。そして、経験豊富な国家資格取得者が、体に優しいソフトな施術で根本改善へと導きます。
デスクワークによる背中の痛みでお悩みの方、どこに行っても改善されなかった方、まずは当院にお気軽にご相談ください。長年の痛みから解放され、快適なデスクワークができる体を取り戻しましょう。







