「階段の上り下りが辛い」「正座ができない」「歩くたびに膝が痛む」といった症状に悩まされていませんか?病院で変形性膝関節症と診断され、何度も水を抜いたりヒアルロン酸の注射を打ったりしても、なかなか改善されない方も多いのではないでしょうか。
実は、膝の痛みの原因は膝だけにないことがほとんどなのです。特に殿筋(お尻の筋肉)の機能低下が、膝痛や変形性膝関節症の発症・悪化に深く関わっています。今回は、この殿筋と膝の関係性について詳しく解説していきます。
なぜ膝の痛みが改善しないのか
当院に来院される多くの方が、膝が悪いから膝だけにアプローチする治療を受けていらっしゃいます。しかし、電気治療やマッサージ、注射を繰り返しても痛みが緩和されないのは、根本的な原因にアプローチできていないからです。
膝の痛みを本当に改善するためには、体全体を観察して原因を探る必要があります。当院では、膝関節だけでなく、股関節、足関節、骨盤、背骨、そして殿筋の状態を詳しく検査し、真の原因を特定していきます。
殿筋の重要な役割
殿筋は、大殿筋、中殿筋、小殿筋という3つの筋肉で構成される、人体最大級の筋群です。これらの筋肉は、以下のような重要な役割を担っています。
股関節の安定化と骨盤の保持
殿筋は股関節を安定させ、立位や歩行時に骨盤を適切な位置に保つ働きがあります。これにより、下肢全体のアライメント(配列)が正常に維持されるのです。
歩行時の推進力生成
歩行の際、後ろ足を蹴り出す力を生み出すのが殿筋の重要な仕事です。この機能が低下すると、他の筋肉で代償しようとするため、膝に過度な負担がかかります。
下肢全体の連動性のコントロール
殿筋は、足部から体幹まで、下肢全体の動きを協調させる中継点としての機能を持っています。この連動性が崩れることが、膝痛の大きな原因となります。
殿筋機能低下が膝に与える影響
股関節の可動性低下による膝への負担増加
当院の施術でも重視しているポイントですが、歩行の時に荷重がかかる順番は、足首→膝→股関節→骨盤の順で荷重がかかります。殿筋の機能が低下すると股関節の動きが制限され、本来股関節で吸収されるべき衝撃や動きが、膝関節に集中してしまうのです。
また臀部の筋肉の低下により膝関節が内側に入ってしまう(knee in)の状態になってしまいます。そうなると重心線からずれてしまうため極端に膝に負担がかかってしまいます。臀筋群が機能することで股関節が外旋位に働きかけてくれるためknee inの姿勢を防止します。
股関節や足関節は可動性のある関節ですが、このどちらかの関節、または両方の関節の動きが低下してしまった場合、もしくは過剰に動きすぎてしまった場合に、動きの少ない膝関節に負担が加わりやすくなります。殿筋の機能低下は、この股関節の可動性低下に直結するため、膝への影響が避けられないのです。
重心バランスの崩れと膝の不安定性
殿筋の筋力が低下すると、立位や歩行時の重心バランスが崩れます。重心バランスが崩れ体を支えづらい状態になると、重心の振れ幅が大きいほど体は不安定になります。
重心の振れ幅が大きいということは、筋肉がより働くので緊張しやすくなり、関節の動きも大きくなり、関節の中心軸から外れて関節運動が行われるため、負担が大きくなるのです。この不安定性を補うために膝周辺の筋肉が過度に働き、結果として膝関節への負担が増大し、痛みが生じます。
骨盤の歪みを介した膝への影響
殿筋の機能低下は、骨盤の歪みを引き起こす主要因の一つです。膝関節を動かす大腿の筋肉は骨盤についているので、骨盤が歪んだ状態のままだと筋肉にストレスが加わり痛みを引き起こすことがあります。
また、骨盤の歪みは背骨(腰椎)の歪みにもつながります。腰椎から腸腰筋という筋肉が骨盤に向かって付いており、腸腰筋は大腿部と体幹を繋いでいる筋肉なのでとても重要な役割をしています。腰椎が歪み、腸腰筋が緊張または伸長された状態のままだと、大腿や下肢の筋力を過度に使って体を支えることになるので、膝関節に負荷が加わりやすくなるのです。
変形性膝関節症と殿筋の関係
変形性膝関節症は、関節軟骨の摩耗によって起こる疾患ですが、殿筋の機能低下は軟骨の摩耗を加速させる重要な因子となります。
関節軟骨への不均等な負荷
殿筋の機能が適切に働かないと、膝関節の動きが不自然になり、軟骨の特定部位に過度な負荷が集中します。これにより軟骨の摩耗が進行し、変形性膝関節症の発症リスクが高まります。
O脚・X脚の進行
殿筋、特に中殿筋の筋力低下は、膝の内反(O脚)や外反(X脚)を助長します。このアライメント異常が変形を促進させ、症状を悪化させる悪循環を生み出します。
膝への持続的な負担
殿筋の機能不全により、日常生活の中で膝に持続的な不適切な負荷がかかり続けることが、変形性膝関節症の進行を早める大きな要因となっているのです。
当院のアプローチ:殿筋を含めた総合的な施術
当院では、膝に問題がある場合は、しっかりと膝関節の調整を行なっていきます。しかし、膝に問題がない人も多いため、その場合は原因箇所を特定します。
具体的には、緊張が起きている筋肉の調整と、動きに問題がある関節の調整を行います。特に殿筋の機能評価は重要で、どの殿筋が弱化しているのか、または緊張しているのかを詳しく検査します。
こうして下半身の連動性を整えたのち、骨盤と背骨の歪みを調整していきます。最終的には重心バランスを整えていくのですが、その方に合った適切な重心位置の調整を行うことが重要なので、バランスよく立てる姿勢や力が入りやすいポイントをチェックしていきます。
このように、殿筋の機能改善を含めた全身のバランス調整を行うことで、何をしてもどこに行っても改善されなかった膝の痛みも緩和されていきます。実際に、当院の重心バランス整体を受けていただいた多くの方から、「1ヶ月ほど続いていた膝と股関節の痛みが改善され、無事ランニングを再開することができました」「肩や膝の痛みが一回の施術で違和感がない程よくなりました」といった喜びの声をいただいています。
まとめ
膝痛や変形性膝関節症の改善には、膝そのものの治療だけでなく、殿筋をはじめとした全身の機能改善が不可欠です。殿筋の機能低下は、股関節の可動性低下、重心バランスの崩れ、骨盤の歪みを引き起こし、それらが複合的に膝への負担を増大させています。
当院では、このような殿筋と膝の関係性を深く理解した上で、体全体を観察して原因を探り、根本的な改善を目指しています。
「このままだと歩けなくなってしまうのではないか」「いったいいつになったら痛みから解放されるのか」そんな不安を抱えている方こそ、殿筋の機能も含めた総合的な評価と施術を受けることをお勧めします。
今まで何件も病院や整骨院をまわって改善されなかった膝の痛みも、当院の重心バランス整体であれば効果を感じていただけると思います。あなたの、まだ諦めたくない、もっと健康的な体になりたいという思いを当院が全力でサポートさせていただきます。
痛みのない快適な日常生活を取り戻すために、まずは殿筋の状態をチェックしてみることから始めてみませんか?ご相談をお待ちしております。







