グロインペインとは?
グロインペイン症候群は、股関節周辺に痛みが生じるスポーツ障害で、特にサッカー選手に多く見られます。ボールを蹴る動作やダッシュ、切り返しなどで痛みが強くなり、ひどい場合は日常生活での歩行にも支障をきたします。
一般的には「3ヶ月から半年は復帰に時間がかかる」と言われることが多く、多くの選手が長期離脱を余儀なくされています。病院では「安静にするしかない」と言われ、諦めかけている方も少なくありません。
本当の原因は股関節だけではない
多くの方が驚かれるのですが、グロインペインの痛みは股関節そのものだけが原因ではありません。当院で数多くの症例を診てきた結果、以下の3つの要因が複雑に絡み合っていることがわかってきました。
1. 骨盤と腰椎の歪み
サッカーではダッシュや切り返し、インサイドキックなどで内転筋を酷使します。この内転筋は骨盤の恥骨という部分に付着しており、使いすぎることで骨盤が前後に傾くように歪んでしまいます。
骨盤が歪むと、本来恥骨に加わるべき適切な圧力のバランスが崩れます。すると骨盤周囲の筋肉が過剰に働き、股関節の動きを制限してしまうのです。この状態でプレーを続けることで、股関節周辺に痛みが生じてきます。
2. 肩関節と肋骨の動きの悪さ
「股関節が痛いのに肩が関係あるの?」と思われるかもしれません。実は、当院に来院されたグロインペイン症候群の方は、ほぼ全員が肩関節の動きも悪くなっていました。
股関節と肩関節は同じ球関節という構造をしており、互いに連動して動いています。さらに肩関節の近くには血液やリンパ液が集まる重要な部位があり、肩の動きが悪くなると老廃物が体内に溜まりやすくなり、痛みが出やすい状態になります。
また、肋骨の下部は横隔膜とつながっており、その横隔膜には脚を持ち上げる働きをする腸腰筋が付いています。肋骨の動きが悪くなると、この腸腰筋が正常に働かなくなり、アウターマッスルばかりに頼ることになります。その結果、筋肉のバランスが崩れて股関節に負担がかかってしまうのです。
3. 重心バランスの崩れ
スポーツにおいて「バランスが大事」とよく言われますが、具体的にどういうことなのか理解している方は少ないかもしれません。
重心バランスが崩れているサインには以下のようなものがあります。
- 体に疲労が溜まりやすい
- 軽い足首の捻挫を繰り返す
- コンタクトプレーでよく怪我をする
- 朝起きたときに体がだるい
- 慢性的な寝不足
このような状態でプレーを続けると、筋肉に不自然なストレスがかかり、関節も不安定になります。結果として怪我のリスクが高まり、体を痛めやすくなってしまいます。
当院のアプローチ方法
当院では、これら3つの要因を総合的に評価し、それぞれに適切なアプローチを行います。
まず詳細な検査で骨盤と腰椎の歪みの状態を確認し、適切な位置に整えていきます。ここで重要なのは、骨盤は本来左右非対称であるという理解です。単純に左右の高さを揃えるのではなく、その人本来の適切なバランスに戻していきます。
次に肩関節と肋骨の動きを調整します。「股関節が痛いのに肋骨?」と思われるかもしれませんが、肋骨を調整するだけでも股関節がかなり楽になるケースは多いのです。
そして最後に重心バランスを整えます。これによって再発予防だけでなく、以前よりも体が動かしやすくなり、パフォーマンスの向上も期待できます。
早期復帰への道
当院では、数ヶ月かかると言われたグロインペインの痛みでも、数週間で復帰される方が多くいらっしゃいます。それは痛みの表面的な部分だけでなく、本当の原因にアプローチするからです。
「試合や大会まで時間がない」「なんとか早く復帰したい」そんな思いを抱えている方、諦める必要はありません。適切な施術を受けることで、早期復帰は十分に可能です。
グロインペインでお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。全力でサポートさせていただきます。







