アキレス腱炎でお悩みの方は多く、当院にも「歩く時にアキレス腱が痛む」「ランニングやダッシュができない」「病院で安静と言われたけど良くならない」というお悩みを抱えた方が多く来院されます。
アキレス腱炎は思ったより痛みが緩和されづらい症状です。湿布を貼って安静にしていても、なかなか改善しないことが多いのはなぜでしょうか。それは、痛む場所にだけアプローチしても良くならないからです。
今回は、当院での治療実績をもとに、アキレス腱炎の本当の原因と、自宅でできる効果的なセルフケア方法をご紹介します。
アキレス腱炎が改善しない本当の理由
多くの方が経験される「湿布と安静」だけでは改善しにくい理由があります。当院に来院された方の特徴的なパターンから、アキレス腱炎の本当の原因を3つお伝えします。
1. 背骨(腰椎)の動きが悪い
意外に思われるかもしれませんが、歩行やランニング、そしてつま先立ちになる動作では、背骨が必ず動きます。特に腰椎が動くことにより下肢の関節が連動して動きます。
腰椎の動きが悪くなると、股関節→膝関節→足関節と関節の動きの連動性が悪くなってしまいます。アキレス腱が動く足関節だけに注目してしまいがちですが、実は背骨の動きを良くすることが重要なのです。
2. 血流が悪くなっている
アキレス腱には、パラテノンという毛細血管が豊富な周囲膜が存在しています。この周囲膜に血流がしっかり確保されていれば、アキレス腱にも十分な血液が流れることになります。
しかし、何らかの影響で血流量が確保されなくなると、アキレス腱がどんどん硬くなってしまいます。硬くなったアキレス腱のままで歩いたり、運動の負荷を加えることで、柔軟性が失われどんどん炎症が起きてしまいます。
血流が悪くなる原因には、睡眠不足や栄養の問題が深く関わっていることがほとんどです。
3. 重心バランスが崩れている
アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋とヒラメ筋)が合わさって構成されています。ふくらはぎの筋肉に過度な負担がかかっている方は、重心が後方に偏っていることが多いのです。
重心が後方に偏りすぎると、より推進力を出すために下腿三頭筋・アキレス腱が活動するので日常生活レベルからストレスが加わります。この状態で運動すれば、炎症につながってしまうのは当然のことです。
自宅でできるセルフケア方法
これらの原因を踏まえて、自宅でできる効果的なセルフケアをご紹介します。
背骨(腰椎)の動きを改善するストレッチ
キャット&ドッグストレッチ
- 四つん這いの姿勢になる
- 息を吐きながら背中を丸め、おへそを覗き込む(猫のポーズ)
- 息を吸いながら背中を反らし、顔を上げる(犬のポーズ)
- ゆっくり10回繰り返す
- 朝起きた時と就寝前に行うのが効果的
血流改善のためのケア
足首の温熱療法
- 入浴時に、湯船の中で足首を前後にゆっくり動かす
- 就寝前に足首をホットタオルで温める(10分程度)
- 慢性期(炎症が落ち着いてから)に行う
水分補給の徹底 血流を良くするには、水分補給が非常に重要です。1日1.5〜2リットルを目安に、こまめに水を飲む習慣をつけましょう。コーヒーやお茶ではなく、水を飲むことがポイントです。
お尻の筋肉を使えるようにするエクササイズ
重心バランスを整えるには、お尻の筋肉(殿筋)をしっかり使えるようにすることが重要です。お尻の筋肉が弱いと、ふくらはぎの筋肉に過度な負担がかかり、アキレス腱炎の原因となります。
ヒップリフト
- 仰向けに寝て、両膝を立てる(足は肩幅程度に開く)
- 両手は体の横に置く
- お尻に力を入れて、腰を持ち上げる
- 肩から膝まで一直線になるように意識
- 2〜3秒キープして、ゆっくり下ろす
- 10〜15回を2〜3セット
- お尻の筋肉を意識しながら行うことがポイント
ヒップリフトの注意点
- 腰を反りすぎないように注意
- お尻の筋肉に力が入っていることを確認
- 鼻呼吸を止めずに行う
- 慣れてきたら、片足ずつ行うとより効果的
セルフケアの限界と専門治療の必要性
ここまでセルフケアの方法をご紹介してきましたが、以下のような場合は当院にご相談ください。
- 2週間以上セルフケアを続けても改善が見られない
- 痛みが徐々に強くなっている
- 歩行が困難な状態が続いている
- 足をかばって歩いていたら、腰や他の部位まで痛くなってきた
- 日常生活に支障をきたしている
当院では、背骨(腰椎)の動き、血流、重心バランスの3つの原因を細かく調べて整体をしていきます。これらは相互に関係しているため、すべてを整える必要があります。
実際に当院で施術を受けた患者様からは、「長年悩まされていたアキレス腱の痛みが改善し、普通に生活ができるようになった」「歩けないほどの痛みが1回の施術で楽になった」という喜びの声を多数いただいています。
まとめ
アキレス腱炎の改善には、痛む部位だけでなく、背骨の動き、血流、重心バランスという3つの要素にアプローチすることが重要です。
今回ご紹介したセルフケアを継続的に行うことで、症状の改善や予防が期待できます。
ただし、セルフケアだけでは改善が難しい場合や、症状が長引いている場合は、根本原因を特定して適切にアプローチする治療が必要です。
「こんなことも関係するの?」と驚くかもしれませんが、このような細かいバランスが体にとってとても重要なのです。いつまでも痛みで悩み続けるのではなく、早期改善と再発予防のために、適切なケアを始めましょう。
当院では初回のカウンセリング・検査に時間をかけ、お一人お一人の症状の根本原因を特定し、的確なアプローチで改善へ導きます。どこに行っても良くならないアキレス腱炎でお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。
あなたのアキレス腱炎を根本から改善し、痛みのない快適な日常生活とスポーツを全力で楽しめる身体づくりを、当院がサポートいたします。







