当院では、多くのスポーツ愛好家やランナーの方々のアキレス腱炎治療に携わってきました。実際に「全国大会を一週間前に控えていながら、踵の痛みで足もつけなかった状態が、数回の施術で痛みが取れ全国大会に出場することができました!」という患者様や、「歩けないほどのアキレス腱の痛みが無くなりました!ほかのところではあまりよくならなかったが、ここでは、1回受けただけで痛みがなくなったのではないか?と思ったほどすごくよかったです!」という嬉しいお声もいただいています。
適切なアプローチによりアキレス腱炎は改善可能ですが、治療後の再発予防こそが最も重要となります。今回は、アキレス腱炎の再発を防ぐための具体的な方法についてお話しします。
アキレス腱炎とは
アキレス腱炎は、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋とヒラメ筋)と踵骨をつなぐアキレス腱に炎症が起こる疾患です。ランナーの方に最も頻繁に認められ、特に急激に運動負荷が強くなった時や、トレーニング量を急に増やした時に発症することが多いのが特徴です。
アキレス腱炎の特徴的な症状として、歩く時にアキレス腱が痛んだり、つま先立ちをするとズキッとしたり、ランニングやダッシュができなくなったりします。また、ストレッチをすると違和感を感じることも多いです。
痛みは運動を開始した直後に強く現れますが、運動を継続していると次第に軽減してくるという特徴があります。このため「ウォーミングアップをすれば大丈夫」「気のせいかもしれない」と思われやすく、治療が遅れがちになることも大きな問題となっています。
なぜアキレス腱炎は再発しやすいのか
多くの方が「湿布をして安静にしていれば良くなるでしょう」と言われ、数週間経っても痛みがほとんど変わらないという経験をされています。それもそのはず、アキレス腱炎の痛みは、痛む場所にだけアプローチしても良くならないのです。
当院に来院される方の多くが、他の医療機関で電気やマッサージを受けても一時的には楽になるものの、運動ができるレベルまでは回復しなかったとおっしゃいます。根本的な原因が解決されていなければ、同じ負荷がかかることで再発を繰り返すことになってしまいます。
アキレス腱炎の本当の原因
当院の臨床経験から、なかなか改善が見られなかったアキレス腱炎には3つの共通する原因があることがわかっています。
1. 背骨(腰椎)の動きが悪い
あまりイメージできない方もいらっしゃると思いますが、歩行やランニング、そしてつま先立ちになる動作では、背骨が必ず動きます。特に腰椎が動くことにより下肢の関節が連動して動きます。
腰椎の動きが悪くなると、股関節→膝関節→足関節と関節の動きの連動性が悪くなってしまいます。アキレス腱が動く足関節の動きにフォーカスしてしまいがちですが、根本的な動きを改善させるには、まず背骨(腰椎)の動きを良くすることが先決です。
2. 血流が悪くなっている
アキレス腱には、パラテノンという毛細血管が豊富な周囲膜が存在しています。この周囲膜に血流がしっかり確保されていれば、アキレス腱にも十分な血液が流れることになります。
しかし、何らかの影響で血流量が確保されなくなると、アキレス腱がどんどん硬くなってしまうのです。硬くなったアキレス腱のままで歩いたり、運動の負荷を加えることで、柔軟性が失われどんどん炎症が起きてしまいます。
血液は体の栄養分です。血流が悪くなる原因は多岐にわたりますが、睡眠や栄養、水分摂取の問題が深く関わっていることがほとんどです。
3. 重心バランスが崩れている
ふくらはぎの筋肉は体の後面の筋肉ですから、体の後面に負荷が加わっている、ふくらはぎの筋肉を活動させないとバランスを崩してしまうような状態は、後方重心になっていることがほとんどです。
重心が後方に偏りすぎると、より推進力を出すために下腿三頭筋・アキレス腱が活動するので日常生活レベルからストレスが加わります。この重心バランスが崩れた状態で運動をすれば、炎症にも繋がってしまいます。
炎症が起きるだけならまだ改善はされやすいですが、アキレス腱は人体で最強の腱でありながら断裂もするので、少しの違和感が致命傷となることもしばしばです。
効果的な再発予防策
1. 背骨の動きを改善する
背骨(腰椎)にも血液が流れていますが、ふくらはぎの筋肉とは違い、血管に弁がありません。弁がない分、背骨が動かないと血流が悪くなってしまいます。
日常生活の中で背骨を動かす意識を持つことが大切です。例えば、デスクワークの合間に腰を回したり、前後に動かしたりするストレッチを取り入れましょう。背骨が動くことにより、下肢の関節がしっかり連動して動くことができるようになります。
2. 血流を改善する生活習慣
血流を改善するためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 十分な水分補給:体の60~70%は水分です。水分が不足すると血液がドロドロになり、血流が悪くなります。1日1.5~2リットルの水を意識的に摂取しましょう。
- 質の良い睡眠:睡眠中に体の修復が行われます。7~8時間の睡眠を確保し、就寝前のスマートフォンの使用を控えるなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。
- バランスの良い栄養:特にタンパク質、ビタミンC、鉄分などは組織の修復に重要です。偏った食事は避け、バランスよく栄養を摂取しましょう。
3. 重心バランスを整える
重心バランスを整えることにより、ふくらはぎとアキレス腱にストレスがかからなくなるので、疲労も溜まりづらくなってきます。頭の位置を含めた姿勢は、重心バランスに関係しますから、姿勢を整えることも大切です。
普段から鏡の前で自分の姿勢をチェックし、頭が前に出ていないか、重心が後ろに偏っていないかを確認する習慣をつけましょう。
4. 段階的な運動強度の調整
翌日もアキレス腱に痛みが残っている場合は、一旦スポーツを休んだり、別メニューで調整したりすることをお勧めします。無理な負荷をかけ続けることが再発の最大のリスクとなります。
特に、痛みが改善した後にトレーニングを再開する際は、以前の運動量の60~70%程度から始め、徐々に負荷を上げていくことが理想的です。
5. 適切なシューズ選び
クッション性が低下したシューズや、自分の足に合っていないシューズは、アキレス腱への負担を増大させます。特にランニングシューズは500~800km程度で交換することをお勧めします。
また、踵のサポートがしっかりしているシューズを選ぶことも重要です。靴の中で足がずれると、アキレス腱に余計な負荷がかかってしまいます。
当院の根本改善アプローチ
当院では、初回のカウンセリング・検査に時間をかけ、お身体の状態を徹底解析いたします。症状を根本改善するためには、まずお身体の状態をしっかり把握する必要があるからです。
先ほどお伝えした3つの原因(背骨の動き、血流、重心バランス)を細かく調べて整体をしていきます。今まで痛む箇所にしかアプローチをしてこなかった方からすれば、「こんなことも関係するの?」と驚くかもしれませんが、このような細かいバランスが体にとってとても重要なのです。
カウンセリング・検査で明らかになった原因に対して、的確なアプローチを施すことで、長年お悩みの症状も根本改善へ導きます。また、自宅で簡単にできるセルフケアや栄養指導などにも力を入れており、施術効果をさらに促進させ、再発しない健康な身体を取り戻していただくことを目指しています。
まとめ
アキレス腱炎の再発予防には、痛む箇所だけへのアプローチではなく、背骨の動き、血流、重心バランスという3つの根本原因にアプローチすることが重要です。
「長年悩まされていたアキレス腱の痛みが改善し、普通に生活が出来る様になりました!痛みの原因をきちんと追究してくれるので、信頼してお願いできます」という患者様のお声にもあるように、本当の原因を突き止めることで、再発しない身体づくりが可能となります。
アキレス腱に違和感を感じたら、「そのうち治るだろう」と我慢せずに、早めに専門機関に相談することをお勧めします。痛みが出てかばって生活していたら、他の箇所まで痛くなってしまう前に、早急に対応が必要です。
適切な治療と継続的な予防対策により、スポーツを安心して楽しめる身体づくりを一緒に目指しましょう。お困りの症状がございましたら、どうぞお気軽に当院にご相談ください。







