スポーツに励む学生や部活動を行う中高生に多く見られる「シンスプリント」。すねの内側に痛みを感じるこの症状に悩まされている方は少なくありません。実は、シンスプリントは単純にすねだけの問題ではなく、足首や股関節との深い関係性があることをご存知でしょうか。
当院では、「痛みの出ている場所に原因があるとは限らない」という考え方のもと、シンスプリントの根本改善に取り組んでいます。今回は、シンスプリントと足首・股関節の関係性について詳しく解説いたします。
シンスプリントとは
シンスプリントは、繰り返しのランニングやジャンプを過度に行った場合に発症しやすい障害です。硬い路面でランニングしたり、急激に走る量が増えたことにより痛みが発生することがほとんどで、運動時や運動直後にすねの内側、特に足首内側にある内くるぶし上方部分から中央部付近の広範囲で痛みが現れます。
別名を「脛骨過労性骨膜炎」とも呼ばれ、主に中学生・高校生の時期に多く発症し、陸上、サッカー、バスケットボールなどの走る競技で多く見られます。最初は運動後の痛みから始まり、重症化すると安静時にも痛みを感じるようになります。
なぜ痛みの出ているスネに原因がないのか
シンスプリントは難治性のスポーツ障害とも言われており、当院に来院される方も困り果てて来院されます。しかし、ほとんどの方が痛みの出ているスネの部分だけにアプローチしてきています。
もし痛みの出ている場所に原因があるのであれば、電気やマッサージをすれば良くなるはずです。しかし実際に改善している方はごくわずかです。これは、シンスプリントの痛みの出ているスネの部分に真の原因がないためです。
では、痛みが出ている場所以外にどこが原因となっているのでしょうか。
それが「足首」と「股関節」を含む全身のバランスなのです。
足首との密接な関係性
足関節の硬さが引き起こす問題
当院でシンスプリントの方の施術をしていると、まずみなさんに共通しているのが足首の硬さです。スネは膝関節と足関節に挟まれています。膝関節は静的な役割を担っている安定性の関節で、足関節は動的な動きを担っている関節です。
静的な関節はある程度動きが確保されていれば問題はないのですが、動的な関節である足関節は、しっかりと動きが確保されていなければなりません。繰り返しのランニングやジャンプで足関節が硬いままになっていると、負担を受け流すことができなくなってしまい、スネの内側にストレスが加わります。
足首につく筋肉の影響
足首につく「ヒラメ筋」や「後脛骨筋」などの筋肉が硬くなることで、足関節の動く範囲が制限され、脛骨にある骨膜にストレスがかかります。足首の柔軟性が低下すると、着地時の衝撃を適切に分散できなくなり、その負荷が直接すねの骨膜に伝わってしまうのです。
股関節との重要な関係性
股関節の柔軟性低下がもたらす連鎖反応
シンスプリントを発症する選手には、股関節の柔軟性が低下している選手も多く認められます。特に股関節を外に捻る外旋という動きに制限が生じると、ランニング時に膝関節が内側を向き、つま先が外を向いた内股の状態になります。
この不適切なフォームが、足のアーチが崩れて後脛骨筋やヒラメ筋に過伸張を引き起こす原因となり、最終的にはすねの内側に過度な負担がかかってしまいます。
重心バランスへの影響
スネの内側に負担がかかるということは、体の内側に重心がかかりやすくなっているということです。左右どちらかの足の症状であれば、左右のバランスを整えることが大切ですが、両足に症状が出ている人もいますので、左右だけでなく前後のバランスを整えることが重要になります。
当院が重視する「重心バランス整体」の概念において、股関節の機能不全は全身の重心バランスを崩す重要な要因となります。股関節の可動域制限や筋力不足により、身体の重心が不安定になり、その補償として下腿部に過度な負担がかかることになるのです。
背骨の動きとの関連性
ランニングやジャンプでは衝撃を様々な関節で受け流し負担を軽減させています。この負担を受け流す行為は、人体の自然なメカニズムです。その中でも重要なのが背骨の柔軟性です。
足関節の硬さと共に、背骨の関節の動きが悪くなると足で体重の負担を受けることになります。背骨が柔らかく動くことにより足に負担がかからなくなるので、激しい運動にも耐えられるようになります。
当院のアプローチ方法
徹底した原因の特定
当院では、まず検査でどこが原因となっているか特定します。具体的には以下の検査を行います。
- 足関節の可動域と硬さのチェック
- 背骨の柔軟性の評価
- 重心バランスの検査
- 股関節の可動域確認
これらの検査を丁寧に行うことで、症状の本当の原因を明らかにしていきます。
根本原因へのアプローチ
そして問題となっている箇所に対して施術を行っていきます。足関節の調整、背骨の調整、股関節の調整を行い、しっかり動きが獲得されるまでチェックします。
ここまでしっかり調整していくと、歩くことも辛かった方がその場で変化が出ることも少なくありません。どんな対処をしても、どこで施術を受けても効果が感じられなかったとしても、正しい原因を特定して整体をすることによってみるみる変化が現れてきます。
実際の改善例
実際に当院で施術を受けた中学生の陸上選手は、「最初は本当に痛みがなくなるのかと思っていましたが、1回の治療でも効果があり、通うにつれて足の痛みがなくなりました。丁寧な説明と負荷のない施術で部活を1度も休まずに走りながら治すことができました」とお話しされています。
また、「体のバランスを整えてもらったので、アタックをするときなどの左右の力の差が気にならなくなり、走るときに強く地面を踏んで、反発をもらいながら走ることができるようになりました」という声もいただいています。
まとめ
シンスプリントは、すね単独の問題ではなく、足首と股関節、さらには背骨を含む全身のバランスとの複雑な関係性によって引き起こされる症状です。脊柱、股関節、足首、足裏などの関節の可動域が狭いと衝撃の分散が上手くいかなかったり、使用するポイントが偏ってしまいます。
当院では、このような身体全体のバランスを考慮した根本的なアプローチにより、多くのスポーツ選手のシンスプリント改善をサポートしています。単に痛みを和らげるだけでなく、再発を防ぎ、より良いパフォーマンスの発揮を目指した治療を提供しています。
早く大好きな運動を楽しみたい、早く部活や競技に復帰したいのであれば、ぜひ当院の整体を受けにきてください。きっと来てよかった、もっと早く来ていればと感じていただけると思います。シンスプリントでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
